先にコメダや星乃は「ファミリーレストランとの戦いになる」と位置づけたのも、そのためだ。送り手が思うほど、受け手は業態を意識しない。例えば、カフェでパスタに力を入れる「プロント」も、消費者から見れば、「パスタを食べたいときに選ぶ店の1つ」にすぎないのだ。
生き残りのカギは、コーヒーと雰囲気
筆者は、今後のカフェ生き残りのカギは「コーヒーを磨き続ける」と「店内の雰囲気」だと思う。ドリンク片手にくつろぐだけなら自宅でもできる。コンビニはイートインできる店が増えたが、イスは固く“止まり木”の利用にとどまる。
店のオーナーや人気スタッフの個性で集客できるのもカフェの特徴だ。高齢化時代、定年後の常連客は支払いを終えて帰るとき、若いスタッフの「いってらっしゃいませ」の言葉に癒やされる――という話も聞く。
最後に、本企画では女性を多く紹介した。店舗だけでなく、本部長や広報担当やバリスタで女性が活躍する時代を伝えたかったのだ。この傾向は強まり、カフェを牽引するだろう。
(撮影=永井 浩)