ここ数年で様変わりした日本のカフェ業界。首位スターバックスが店舗網の拡大を続け、質の面でも他社を引き離す勢い。迎え撃つ大手各社や本格喫茶の雰囲気を守る名店など注目店の「いま」を紹介する――。
東京・中目黒の「スターバックスリザーブロースタリー 東京」。

誰がスターバックスを倒すのか?

2019年7月4日、東京・浅草寺の雷門脇に、「スターバックス コーヒー(以下、文脈に応じて「スタバ」)雷門店」がオープンした。現在は外国人観光客の姿も目立つとはいえ、江戸っ子の“心のふるさと”といってもいいこの場所への出店は「スタバ1強時代」の象徴だ。

業績も他を圧倒する。運営するスターバックス コーヒー ジャパン(日本法人)の売上高は1800億円を超え、2位ドトールコーヒーの約2.5倍だ(表参照)。1996年に日本に上陸して23年。「カフェの代名詞」は、いまや「巨象」に成長した。この巨象の前足や尻尾に、各店や各ブランドが挑むのが、現在のカフェ業界の構図なのだ。