女子高生時代から「タリーズ好き」の広報担当

スターバックス日本上陸の翌年(97年)に日本1号店を開業したのが、同じ米シアトル系の「タリーズコーヒー」だ。

米国本社が往時に比べ規模を縮小したのに対して、日本の店舗網は現在も拡大し続け、国内4大チェーンの一角を占める。06年に伊藤園の子会社となり、長年、増収増益を続ける“孝行娘”だ。

「銀座にタリーズ1号店ができたときは、校則の厳しい女子高に通っていたのですが、どうしても行ってみたくてこっそり通いました(笑)。スタバも好きでしたけれど、飲み比べてみて『タリーズのほうがいいな』と。テレビ局でアルバイトをしていた大学生時代には、終了後の自分へのごほうびは『カフェモカ』。あの苦味と甘味に癒やされたのです」

明るくこう語るのは、山口さほりさん(タリーズコーヒージャパン広報室)。前職の通勤時も「毎朝、途中下車してタリーズのドリンクを買ってから出勤」したという。その愛が届いたようで、当時の勤務先がタリーズのFC店を始めると同時に店長に抜擢。5年にわたり店を切り盛りした後、9年前から広報職に就いた。

広報担当者としての発言ではなく、「本当にタリーズが好きなんだな」と思える話しぶり。取材スタッフ一同、ほのぼのした気持ちにさせられた。

特徴は「コーヒー豆の調達」を自社で行うこと

「タリーズの特徴は、まずコーヒー豆の調達を自社で行うこと。知名度やブランドに左右されず、おいしいと思う豆を選びます。そして焙煎は国内で行い、担当者が何度もテストして焙煎度合いを決定。日替わりで提供する『本日のコーヒー』は13種類ありますが、これは各店が自由に決めています」(山口さん)

「お~い お茶」など茶系飲料に強い伊藤園の知見を生かし、近年はティーメニューにも力を入れる。夏季は「パッションピーチ&マンゴーティー」(トールサイズで税込み500円)も人気だ。

メニューにはフードやスイーツも多い。スターバックスの陰に隠れがちだが、「実はタリーズが好き」という顧客をきちんと押さえ、成長してきた。

「スターバックスさんは気になる存在。新商品が発売されると、できるだけ注文します」と話す山口さん。「競合の視察」なのだが、「カフェを楽しむ」感覚で、「当社なら、どんなことができるか考えます」。日本の喫茶文化など、業界の勉強にも熱心だ。