その結果、介護や生活支援が必要と認められ、自宅でサービスを受けたい場合、次に「居宅介護支援事業所」を選ぶ。そして、ケアマネジャーと相談しながら、「どんなサービスを、どのように使うのか」という利用計画書「ケアプラン」を作成する。ただし、ケアプランも自分で好きなように作れるわけではない。

「あくまでも、介護保険の利用によって、生活上の具体的な課題が解決されることを、理由づけできなければなりません。たとえば歩けないといっても、リハビリをすれば機能回復が期待できるのなら、すぐに車いすを使うのではなく、まずリハビリに取り組むといったケースもあるわけです」と、数多くのケースに携わってきたベテランケアマネジャーの鐵宏之さんは説明する。

そうした介護保険では、介護グッズの購入やレンタルも、ケアプランで必要となれば、介護保険の対象となる。ケアプランを立てるとき、具体的にどんな介護グッズを買ったり、借りたりすればいいのかについては、ケアマネジャーとともに、「福祉用具専門相談員」にも相談するのが一般的だ。福祉用具専門相談員は、介護保険制度で認められている公的資格で、介護グッズに関する専門知識やノウハウを持つ。福祉用具事業所に所属しているケースが多いが、「ケアマネジャーに依頼すれば、紹介してくれます」と鐵さんはいう。

レンタル料の1~3割を自己負担

介護保険で利用できる介護グッズは、商品の性質や要介護度によって、購入するものとレンタルするものに、細かく分類されている。また、介護保険で購入やレンタルができるのは、都道府県などから指定されている事業者の介護グッズに限られるので、その点も注意しておこう。

購入が介護保険の対象となる介護グッズは、腰掛け便座や入浴補助用具などの5種類(図2)。トイレや風呂で使うものが多い。「人体に直接触れる性質の福祉用具であるためです」(同)。要支援1以上と認定され、必要性があれば利用できる。介護保険で決められた支給限度額とは別枠で、4月1日から翌年3月末日までなら、10万円を上限に利用できる。「ただし、購入金額がその上限を超えると、全額自己負担になってしまいます」(同)。

介護グッズの購入で介護保険を利用する場合、必要な申請書類を市区町村に提出する。その後、最初に全額支払って後から戻ってくる「償還払い」や、負担割合に応じて自己負担して残りは自治体が福祉用具事業所に支払う「代理受領委任払い」の形で保険が適用される。