不要になった際の処分コストも考慮

そこで気になるのは、レンタルと購入では、どちらがメリットがあるか。確かに購入は介護保険の対象外だが、「長期間使うのであれば、レンタルのほうが割高になる」という可能性もある。しかし、結論からいえば「レンタルのほうがおすすめ」(鐵さん)ということになる。表のように自己負担1割の人の場合、購入しても、なんと25年近く使い続けないのであれば、レンタルしたほうが安く済むからである。

しかも、レンタルにはほかにも利点があって、「途中でモーターに不具合などがあれば、修理してもらえるし、要介護度が重度化したら、高機能の別のベッドに替えることもできます」と鐵さんはいう。一方で、もしベッドを購入すると、不要になった場合、粗大ゴミなどの処分コストもかかる。

車いす・歩行器▼軽くて老老介護でもOKな車いすなら20万円超も

要介護の高齢者のなかには、「自分の力だけでは歩けない」「足が動かず、歩行できない」といったケースもよく見られる。そうしたケースでは、「車いす」や「歩行器」といった足回りの介護グッズが、生活するうえで不可欠になる。

その車いすや歩行器の価格は意外に高めだ。材質や機能によってさまざまな種類に分かれており、価格帯にも幅がある。たとえば車いすは、安いものなら3万円前後もあるが、高いものは20万円を超える。歩行器も2万円前後から20万円前後まで大きな開きがある。鐵さんは次のように話す。

「低価格の車いすは大半がスチール製です。とても重いので、坂道を上ろうとしたり、持ち運ぼうとしたりするときに不便です。医療機関や介護施設のようにバリアフリーで、スタッフも多い施設ならいいのですが、自宅で介護したり、外出したりする場合、介護者が苦労します。とりわけ、老夫婦の一方が要介護者になり、もう一方が介護者になる老老介護のようなケースには、スチール製の車いすは不向きでしょう」

つまり価格が高めでも、軽量の車いすを選ばざるをえないケースも多いわけだ。しかし前述したように、車いすも歩行器もレンタルが介護保険の対象で、「高価格の車いすや歩行器の利用も、理由が明確なら認めてもらえます」と鐵さんはいう。そこで迷うのが、やはり購入かレンタルかだ。