レンタルが介護保険の対象となる介護グッズ

一方、レンタルが介護保険の対象となる介護グッズは13種類(図3)だが、要介護度によって使える種類が決まっている。立ち上がりや歩行、そして姿勢をサポートする手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえの4種類は、要支援1以上なら、必要性があれば利用できる。しかし、車いすとその付属品、特殊寝台(介護ベッド)とその付属品など8種類は、原則として要介護2~5の人のみの利用となる。さらに、尿や便を自動的に吸引する「自動排泄処理装置」も同様に、重度の介護が必要な要介護4~5の人のみの利用となる。

レンタルの介護グッズは、利用者の要介護度、介護者の負担の度合いなどに応じて、機能にも大きな差があって、同じ種類でもさまざまなアイテムがある。価格にも大きな開きがあり、必然的にレンタル料金にもばらつきが出てくる。選ぶのに迷ったときは、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談しよう。

なお、「2018年10月から、同じアイテムであればレンタル料金は、全国平均値のプラス・マイナス10%内に収まるようになりました」と鐵さんは話す。そして介護保険の対象であれば、毎月の利用限度額の範囲内で、所得に応じて通常のレンタル料金の1~3割の自己負担額で借りられるのだ。

介護ベッド▼25年近く使い続けないのならレンタルが得なことも

家族が自分で起き上がれなくなったり、寝たきりになったりしたときに必要になるのが、病院や介護施設などでよく見かける「介護ベッド」だ。介護グッズのなかでも大型で、高額なものが多い。鐵さんが介護ベッドについて次のように説明する。

「材質や機能によってさまざまなタイプがありますが、代表的なのは電動式の介護ベッドです。①寝床の高さ調節、②背上げ、③ひざ上げのいずれか、もしくは複数の機能がついています」

介護ベッドで②だけついているのが「1モーター」、①②がついているのが「2モーター」、①~③のすべてついているのが「3モーター」と呼ばれる。寝たきりなどで重度の介護が必要であれば、3モーターを選ぶケースが多いそうだ。価格は、1モーターなら10万円前後のものもあるが、3モーターなら40万円以上に跳ね上がってしまう。

「楽匠Zシリーズ」の3モーターを例にすると、参考価格は43万5000円。さらにサイドテーブル、サイドレール、それと床ずれを防ぐ体位変換器も購入すると、総額で70万3480円もかかる。しかし、レンタルであれば介護保険の対象になり、自己負担が1割の人ならトータル月2350円で借りられる。