精巧な穴加工技術を持つ岐阜・可児市のダイニチは過去5期で売り上げが6割近く上昇している。確かな技術を持ちながら、それが利益に結びついていたとは言い難かった同社が、なぜ驚異のV字回復を遂げたのか。兵庫県立大学大学院の中沢孝夫客員教授が解説する。

髪の毛より細い穴を正確に開ける技術

製造業に従事する中小企業の多くは、部品や素材を加工するBtoB。一般の消費者には馴染みが薄いが、それで重要度が下がるわけではない。

ここで紹介するダイニチもその1つだ。“吹けば飛ぶよな”極小の部品を作る同社の現場を見ていると、その超微細・精密な加工能力に驚く。