「食べものを噛み、飲み込むことが難しくなったが、やはりおいしい食事がしたい」――被介護者や食の障害者のそんな切実な願いをかなえているのが、静岡市を本拠とするウェルビーフードシステム。福祉施設や病院を中心に、給食の受託運営を展開する同社。2010年に開発した「ウェルビーソフト食」が今、介護食の市場を変貌させつつある。

著しい高齢化、人口減少、そして地域経済の衰退など、日本が抱える課題は深刻だ。だが、そんな逆境下にあって、一見すると矛盾する社会的な価値と経済的な利益を、両立させている企業がある。