会社員人生の最終盤をどのように過ごそうか──。多くの人が会社に残る選択肢をとる中、地方の優良企業で幹部になるという決断をする人が現れている。彼らはどのように選考を突破したのか。識者が解説する。

大企業「シニアにやってもらう仕事がない」

2018年9月、政府は企業に対して65歳までとしている雇用継続の義務付けを、70歳までに見直す方向で検討に入ると発表した。背景には、高齢者の増加にともなう年金・社会保障費増の抑制、そして深刻化する人手不足への対応がある。しかし、人手不足とはいえ、企業、特に大企業のシニア社員に仕事があるかというと話はそう簡単ではない。

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大企業では年々、役職定年制を導入する企業が増加。管理職でも多くが55歳前後で役員に昇進していなければ、役職定年を迎えて専門職などへの異動を余儀なくされる。

「多くの大企業で、シニア社員全員に仕事を割り当てることが難しくなっています。つまり、やってほしい仕事が明示できなくなっている。言葉を選ばずにいえば、シニアにやってもらう仕事がないということです」