大きな目を縁取るギャル風のメーク、栗色の髪……渋谷にいる普通の女子に見えるが、今、彼女の「カワイイ」の一言が、中国女子市場を動かす。彼女の名はTOKYO PANDA(26歳)。1億人が集う中国最大のショッピングサイト「タオバオ」で買い物をするおしゃれな中国人女子の間で、カリスマブロガーとして圧倒的な支持を集める日本女性だ。

1日に2万アクセスを誇るブログ。Mr.PANDAことロシア人彼氏とのツーショットも多い。

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「この冬はこのコートが買いだよ」と彼女が中国語のブログに書けば、5000円程度のものなら250着、安いマフラーなどは瞬く間に800本売れる。エビちゃん(蛯原友里)全盛期に「エビ売れ」といって、エビちゃんが雑誌で着た服が飛ぶように売れた現象を思い出す。

PANDAの正体は2005年に中国・瀋陽に渡った医大生。もともとおしゃれが大好きだったが、当時の瀋陽にはろくな店もなく、ネットで中国の服を買って東京風に組み合わせ、発信するようになる。日本の「カワイイ」を中国でコーディネートし、ロシア人のカレシがいるPANDAに、アンテナの高い中国のおしゃれ女子たちが目をつけて人気が爆発した。

今、彼女のもとには日本企業からコラボ商品の開発やコンサルの依頼が殺到している。マネジメントを買って出た中村泰子社長(ブームプランニング)の招きで1月に来日したが、2週間の滞在で160人以上に会うほどのひっぱりだこだった。今後は東京在住のPANDAファンの女子たちと一緒に「PANDA探検隊」を組織し、さまざまなビジネス展開や情報発信を考えている。

「尖閣諸島問題は影響なかったの?」とPANDAにたずねると「ぜんぜん!もともと中国の東北地方は対日感情がいいから、大丈夫」という答えが返ってきた。「カワイイ」という共通語で結ばれた日中のおしゃれ女子の絆は、国家間の問題など軽く超えてしまうのだ。