「スポーツGOMI拾い」が、にわかに企業の注目を集めている。
3年前に誕生した、町の清掃をスポーツのようにする競技で、数人組のチームとなって、決められたエリアで制限時間内に集めたゴミの質と量を競う。
ゴミの重量をポイント化するとともに、タバコの吸い殻は100g=100ポイントというように、品目別にポイント換算し、その総ポイント数で優劣がつく。また、走らない、チームの先頭と最後尾は10m以内、分別は開催地域の方法に準拠などのルールもある。
日本スポーツGOMI拾い連盟代表の馬見塚健一氏によれば、この競技はもともと東京近郊の大学対抗戦として始まり、「スポーツ史上、最も環境にやさしいスポーツ」もしくは「環境貢献活動史上、最もエキサイティングな活動」として全国に普及。昨年末には初の全国大会がJR大井町駅周辺で行われ、57チームが参加したそうだ。
興味深いのは、家族、学校の仲間、友人、自治体などの参加者の中に、最近、企業チームが増えていることだ。
「制服姿で社員が参加する物流会社など、エントリー希望する会社が目立ちますね。2月下旬の大田区の大会では全日空や日本航空といった地元企業も参加しました。また、大会そのものを主催する企業や、大会を積極的にスポンサードしようとする企業も急増しています」(馬見塚氏)
企業が積極的な理由とは何か。
「チーム一丸となって、スポーツ感覚で街のクリーン化に貢献でき、さわやかな達成感を味わうことができます。チーム内の社員同士が心を通わせ、交流するのにも最適ですし、社員の小さなモノを見落とさない視野の広さや注意力、役割分担しながら連携する戦略性も養われます」(同)
GOMI拾いで、地域貢献と社員教育の一石二鳥という目論見だろうか。