「筋トレは裏切らない」。トレーニングの愛好家はこぞってそう話す。きちんと栄養を取り、適切な負荷をかければ、だれでも確実に「数値」が向上するからだ。落語家・立川談慶さんは「本業よりも筋トレのほうが優先順位が高い」とまでいう。その真意とは――。
ベンチプレスは120キロ、胸囲は100センチ超
みなさん、こんにちわ。落語立川流真打ち、立川談慶です。私、落語家になってこの4月で丸28年です。近頃では出版依頼が相次ぎ、今年1月に出る『老後は非マジメのすすめ』(春陽堂書店)でちょうど10冊目の本になります。おかげさまで各方面から本格派ならぬ「本書く派」などとも称され、講演などの要望もどんどん増えています。
主として「落語コミュニケーション論」を唱え、そこが私の居場所ともなっていますが、さて、今回はそんな私の別の顔をご紹介させていただくことにします。
私、何を隠そう、実は筋トレマニア、肉体おたくなのであります。
筋トレを始めて今年6月で丸12年。ジムに週3~4回通っており、53歳の現在、ベンチプレスは120キロを上げ、胸囲もゆうに100センチを超えるまでになりました。数年前には人気番組『アウトデラックス』にも「本業よりも筋トレを優先する落語家」として出演させていただいたりしました。
なんでこんなに筋トレにハマってしまったのでしょうか。
なぜ「接待ゴルフ」という言葉があるのか
例えば同じスポーツでしたら、ゴルフと比較してみると、その特性がより対照的でわかりやすいかと存じます。
とはいえ私、ゴルフは打ちっぱなしに2回行っただけで、ラウンドを回ったことがない素人同然の立場です。これから申し上げることは、もしかしたら、愛好家のみなさんにとっては失礼に当たることがあるかもしれません。あらかじめお詫びを申し上げます(こう言っておくとどんなことでも言えちゃう。これもコミュニケーションの一つですな)。
ずばり言って、「ゴルフはスポーツというよりコミュニケーションツール」ではないでしょうか? 無論極論です。
接待ゴルフという言葉があります。これは不思議ですよね。接待麻雀はありますが、接待フルマラソンというのもなければ、接待近代五種も、接待古式泳法もありません(あたり前ですな)。
ゴルフとは、まずは近づきたい人や、より仲良くしたい人とのつながりありきで、競技自体よりも、その場にいる人たちとのコミュニケーションや商談などを円滑にするためのツールとしてのスポーツではないかと思うのです(あ、もちろんプロやら純粋に競技として優劣を競う方々は別です)。