まず「独島エビ」を思い出してほしい

昨年11月8日のことである。アジア歴訪中の米国のトランプ大統領が、日本に続いて韓国を訪れた。韓国政府は盛大な夕食会を開いてトランプ大統領をもてなした。ところがそのメニューに日本が驚いた。料理のひとつに“独島(とくと)エビ”と書かれていたからだ。

独島とは島根県の隠岐の島から158キロ先の日本海に浮かぶ竹島のことだが、日本固有の領土にもかかわらず、韓国が不法占拠を続けている。

韓国がトランプ大統領に対し、「あの島は韓国のもの」とこっそりアピールした格好だ。しかも夕食会には米国で日本批判を繰り返してきた韓国の元慰安婦も招かれていた。

韓国軍のレーダー照射を受けた「P1哨戒機」の資料写真。(写真提供=海上自衛隊)

文大統領を評価したことは大きな間違いだった

新聞各紙の社説は一斉にこの韓国の振る舞いを厳しく批判した。たとえば読売新聞の社説(昨年11月9日付)は「日本政府が韓国に抗議したのは当然だ。第三国との外交の場で、歴史問題や領土を巡る自国の一方的な主張をアピールするのは、非常識も甚だしい」と主張していた。

昨年11月10日付のこの連載(「新聞社説を読み比べる」)でも「甘エビを"独島エビ"と呼ぶ韓国の牽制外交」という見出しを付けて韓国を批判している。

今回は初めに韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権はこんな程度でしかないということを改めて頭に入れてから今回の記事を読み進めてほしい。それともうひとつ。沙鴎一歩は北朝鮮と融和政策を推し進める文大統領を評価したこともあった。だが、それが大きな間違いだったと強く反省したい。

平時にロックオンすることは、異常な行動だ

石川県の能登半島沖で今年12月20日午後3時ごろ、自衛隊のP1哨戒機が韓国軍の駆逐艦から火器管制レーダーを照射された。岩屋毅防衛相が翌日21日に発表した。

火器管制レーダーは、航空機や艦船がミサイルなどを発射するときに放射する電波で、照射することによって敵機(標的)までの距離や方向を測定するとともに敵機を自動追尾する。

照射は「ロックオン」(照準を合わせた状態)と呼ばれ、武器使用に準じる軍事的行為とされ、有事では攻撃に踏み切る直前の状態だ。平時にロックオンすることは、異常な行動である。

日本政府は外交ルートを通じて直ちに韓国政府に強く抗議した。抗議は当然の行為である。