※本稿は、プレジデント誌の連載「リーダーの掟」に一部加筆したものです。

私が、東京都のタバコ条例にずっと反対してきたのは、タバコ規制がさまざまな観点から合理性を欠くためだ。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/KatarzynaBialasiewicz)

簡単に言えば、

(1)タバコよりお酒のほうが社会に迷惑をかけていること
(2)お酒もタバコ並みの規制をすることを国民は喜ぶのかということ
(3)タバコ規制には大声を出す自称ジャーナリスト、自称作家、自称社会起業家たちが、お酒の規制には口をつぐむこと

英国のがん研究所は「がんに関しては安全な飲酒量などない」と断言しているし、口腔がん、咽頭がん、食道がん、乳がん、肝臓がん、大腸がんは、アルコールとの関係が指摘されている。飲酒による事故やDVなどの社会的損失は4兆円以上、タバコは半分の2兆円だ。さらには、厚生労働省が、健康被害が出ておらず、においもない加熱式タバコの使用場所についても「たばこの健康影響評価専門委員会」で規制を強めている。加熱式タバコ規制賛成派の委員を総数の8割も選んで、無理やり議論の方向性をコントロールしているのだ。

どう考えてもタバコばかりは、不公平であろう。

とは言うものの、私は、国や行政がつくった決まりをきちんと守るのは当然だと思うし、多くの日本人は律儀なのできちんとルールを守るだろう。だからこそ、法律が決まる前から、雑誌などでその懸念や問題点を指摘してきたつもりだ。

しかし、みんなで決めた約束事を一切果たすつもりもない人たちも少なからず外国には存在してしまっているようだ。それが今の韓国であろう。不可逆の約束すら平気でひっくり返してしまう。これでは未来永劫、韓国との約束は「日本だけ守る、韓国は守らなくていい」という前提での話になってしまう。ほんとうにおかしな話だ。今回は、そんな韓国についてのお話をさせていただこうと思う。