いまの韓国は「喉に刺さった異物」である

昨年暮れからずっと喉の奥に刺さった異物が取れない。いくら咳払いをしても、喉に指先を突っ込んでもなくならない。魚の細い小骨などではない。丸太のように太く、先が槍のように尖った杭だ。

喉に刺さって抜けない問題の杭とは、韓国軍による火器管制レーダーの照射事件のことである。昨年12月29日にも「照射事件をはぐらかす韓国は"敵性国家"か」との見出しで記事にしたが、あらためて照射事件について触れたい。

2019年1月5日、韓国駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題で、韓国国防省の反論動画公開を報じる韓国各紙。(写真=時事通信フォト)

昨年12月20日午後3時ごろ、能登半島沖で自衛隊のP1哨戒機が韓国軍の駆逐艦から火器管制レーダーを照射された。火器管制レーダーは、航空機や艦船がミサイルなどを発射するときに放射する電波だ。照射することによって敵機までの距離や方向を測定できる。敵機を自動追尾できるため、照射は「ロックオン」(照準を合わせた状態)と呼ばれ、武器使用に準じる行為である。

日本政府は外交ルートを通じて直ちに韓国政府に強く抗議した。火器管制レーダーの照射を受けた翌日の21日には防衛相が事件を公表した。

動画公開を決めた安倍首相の判断は正しかった

さらに28日に防衛省が証拠として照射を受けた際の動画も公開した。これは官邸の指示だった。

当初、防衛省は「動画まで公にして韓国に抗議すると、韓国の立場がなくなる。中国北朝鮮が喜ぶだけだ。非公式の場で韓国に謝罪させて済ませたい」との考えだったが、安倍晋三首相が「証拠として国際社会に示すべきだ」と動画の公表にこだわったという。まさに官邸主導ではあるが、沙鴎一歩はこの安倍首相の判断には賛成する。

外交の基本は自国の利益をいかに優先するかにある。相手国の足もとを見てときには毅然とした態度で臨むことが必要だ。今回の動画公開はそのときだった。

毅然とした態度と同時に甘言も必要になる。甘い言葉はとくに非公式の水面下での交渉で求められる。外交ではこの水面下での交渉が決定打になるケースがほとんどである。

どこから見ても韓国は“アブノーマル”

日本政府は水面下の交渉をどう行っているのだろうか。

各紙の報道によると、日本側が動画を公開する前日の27日、テレビ会議で問題の火器管制レーダーの周波数特性を防衛省が韓国国防省に示した。周波数特性とは、個別のレーダーがそれぞれ持つ固有の情報で、人の指紋に相当する。

日本のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した広開土大王(クアンゲトデワン)級駆逐艦固有の周波数特性を示されたのだから、通常なら照射の事実を認めて謝罪せざるを得ないだろう。日本の防衛省もこれで照射事件は終息すると考えた。

ところが、韓国側は認めようとはせず、交渉はこじれた。しかも1月4日には韓国は日本の主張に反論する内容の動画を公表した。公表とともに「日本の哨戒機が韓国の駆逐艦に異常に接近した」と日本に謝罪を求め、証拠となる電波情報の周波数特性まで示せと迫った。

どこから見ても韓国は“アブノーマル”である。