これからビジネスマンはどう変わるべきか。「プレジデント」(2018年4月30日号)では、特集「いる社員、いらない社員」で、大企業のトップ29人に「人材論」を聞いた。今回は、ディー・エヌ・エーの守安 功社長 兼 CEOのインタビューをお届けしよう――。

テクノロジーの進歩が社会をどう変えるか、会社をどう変えるか。「永久ベンチャー」を掲げるディー・エヌ・エー(DeNA)は、変化を先取りして消費者に「喜び」を提供していきたいという。そのときに必要になる人材とは?

――社会はどう変わるでしょう?

10年単位で過去を振り返ってみると、テクノロジーの進歩によって我々の生活がどんどん便利に、快適になってきたことに気づかされます。たとえば20年前には携帯電話はまだ普及前でしたし、それがスマートフォンに代わったのも10年前のことです。

ディー・エヌ・エー社長 兼 CEO 守安 功氏

テクノロジーの進歩は年を追うごとに早くなっており、10年後、20年後にはAIやロボットは当たり前の存在になり、私たちの生活は今より便利に、快適なものになっているでしょう。

人間の仕事の内容がそのときどう変わっているのか、今の時点で見通すことは困難です。しかし、人間に代わって機械がより高度な仕事を行うようになることは間違いないでしょう。人の労働時間はすでに減少しつつありますが、おそらく今後も減っていき、余暇の時間が増えていくでしょう。

――DeNAが提供するサービスも変わりますね。

はい。当社はネットオークションから始まった会社ですが、創業当時から今まで、自分たちの事業領域を限定したことはありません。現時点での主力事業はモバイルゲームですが、それもあくまで今の時点での話です。今後はAIを活用した新たなデライト(喜び)を提供していくことになるでしょう。

楽しさや便利さを提供して人々を驚かせ、喜んでもらう。常に新しいことにチャレンジする気持ちを失わず、新しい事業領域に飛び込み、今行っている事業もどんどんあり方を変えていく。社会の変化を先取りして、新たな時代に合ったサービスを提供していく。事業の内容は変わっても、それがDeNAという企業の変わらない本質です。

――求める人材は?

DeNAは社会の変化に合わせて、これからもどんどん変わっていくでしょう。必要なのは、変化のための人材です。「次はこういうことをやったらおもしろそうだね」「これからこういう変化が起きるから、我々も今のうちに変わらなくては」と自ら考え、自ら道を切り開いていく。それができる人が、会社の競争力の源泉と言えます。

失敗したら「なぜ失敗したのか」と考え抜き、「次はこうしよう」と再びチャレンジしていく。そうした強いWill(意志)とPassion(情熱)を持った人が集まる会社にしていきたいと思っています。