企業が喜んで迎える“体育会神話”は徐々に崩れつつある
「かつての体育会系の学生はどこか武骨で決してイケメンではないが、その代わり、情熱があり、バイタリティにあふれていました。一方最近は、男子はイケメン、女子はかわいらしい人が多く、外見がスマートになった印象があります。話を聞くと、育ちもいい。父親は一流企業の会社員で母親も大学を出ている。両親が決して飛び抜けて運動神経がよいわけではなくごく普通なのですが、子どもが3歳頃からスポーツの英才教育でアスリートに育てられる。高校や大学は推薦で上位校に入る。スポーツ成績は全国レベルではなくても、努力すればある程度の活躍はできる。採用面接ではイケメンのナイスガイ、体育会出身かつ上位校出身となればどこの企業もクリアできる。でも、10月1日の内定式に会うと、おとなしく冷めているので、あれっ、どうしたのかなと思う。結果的に入社後に早期に辞めてしまう人が少なくありません」(前出・サービス業の人事部長)
確かにかつてのアスリートには、マンガ『巨人の星』のように父親がガテン系、子どもがハングリー精神旺盛でガッツのあるタイプというイメージがあるが、今ではそうでもないらしい。
体育会系出身なら企業が喜んで迎えてくれる“体育会神話”は徐々に崩れつつあるのかもしれない。
(写真=iStock.com)