下手に付き合うと、こちらが疲れるだけ
なぜそうなってしまうかと言えば、「他人が自分をどう思っているか」でしか、自分を評価できないからです。ですから、自分自身を省みることなく、他人の本当の思いを考えることなく、自らが「認められたい」という理由で突き進んでしまう。結果、コミュニケーションをうまく取れず、揉め事を起こしてしまう。自分で自分を支えられない、「心の未成熟」を持ったままなので、どこの職場でも、どんな人間関係でも自分の心の葛藤を自分の内面ではなく、他人を巻き込む安易なやり方で解消しようとするので、トラブルが起きてしまうわけです。
そのような人とどう付き合えばいいのか。彼、彼女が成長し、心が成熟しない限り、トラブルを起こし続けるでしょうが、その人たちは無意識にトラブルを抱えています。「この人はそういう人なんだ」と、割り切って付き合うしかない。下手に付き合うとこちらが疲れるだけです。
あなた自身も強い内なる力を持って、トラブル・メーカーとは距離を取るようにしましょう。
加藤諦三(かとう・たいぞう)
早稲田大学名誉教授、ハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員
『人生を後悔することになる人・ならない人』など著書多数。
早稲田大学名誉教授、ハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員
『人生を後悔することになる人・ならない人』など著書多数。
(構成=伊藤達也 写真=iStock.com)