子どもの夏の読書感想文はまだ手つかずのまま。そもそも、子が一冊の本も読破したことがないのに、一体どうすればよいのだろう……。と、途方に暮れ、いらついてしまった親がついしてしまう間違ったサポートとは? 子が読書感想文を仕上げるための「魔法の声かけ」についてカリスマ塾講師の矢野耕平氏が解説する。
本嫌いの子にとって読書感想文は「地獄の課題」
夏休みも残りわずか。今年の夏は連日の雨でなかなか外に出掛けられず、子の夏休みの宿題がはかどった……と思いきや、本の苦手なわが子がまだ手をつけていないものがある! とお嘆きの親がいるかもしれない。
そう、夏の「読書感想文」である。
読書が好きで、文章を書くのが苦にならない子にとっては、数時間で仕上げられる課題。だが、本を読み進めるのがなかなかできない子にとっては、読書感想文は「地獄のような課題」である。
でも、せっかくの「読書感想文」。親が無理やり書かせて何とか終わらせるよりも、この感想文を書く機会を利用して、子が文章を読むコツを会得してくれれば、こんなにうれしいことはない。
そこで、今回はそんな「本嫌い」の子に対して効果的な指導方法をお伝えしたい。
ネット書店で読書感想文の本を買ってはいけない
本を読むこと自体、子が言い知れぬ苦痛を感じてしまっている……。そんな子に、たとえば親がネット書店でみつけた適当な本を一方的に押し付けても反発を招くだけだろう。
まずは、子といっしょにリアル書店へ足を運びたい。できるだけ大きな書店がベストだ。そして、そこでは子が興味を示す本に出会えるまで、親は辛抱強く待つことが必要だ。ここで間違っても親が本を選んではいけない。「これにしなよ」などと助言してしまう親もいるが、本はできる限り本人に選ばせたい。
もし、子が本選びに迷っているときは、「学年相応か1~2学年下のレベルの物語(小説)」や「短編が収められている物語(小説)」を探すように助言するといい。背伸びは禁物だ。
子がやっと「じゃあ、この本に決めた!」となれば、なぜその本を選んだのかをたずね、書店を出たらすぐその理由をメモに書かせよう。走り書きでも構わない。そのメモがあとで生きてくる。