本書は東京都水道局の現役課長による、江戸時代をテーマとした経済書である。著者は法学部を卒業後、東京都に就職し45歳を過ぎてから経営学の分野で博士号を取得した。

2007年には「M&Aと提携が財務業績に及ぼす影響」という論文で日本管理会計学会論文賞を受賞している。謹厳実直なお役人の趣味は、奔放な経済学だということなのだろうか。

本書の「あとがき」では「“一物多価”と競争の積み重ねが、経済の活力に結び付いたといえるでしょう」と結論づけている。著者は自由主義経済の効用を認めつつも、江戸時代の通貨制度に新しい経済学のヒントを見つけたようだ。