ポジティブさが人々に勇気やヒントを与えている
あの暑い、熱い東京都知事選から、まもなく1年になろうとしています。政党や団体の支援を受けず、たった一人で挑んだ戦いで圧勝した小池百合子・東京都知事。その言動はワイドショーの「定番メニュー」となり、いまや都民だけでなく日本のいたるところから都政に注目が集まるようになりました。情報公開による都政の「見える化」を図り、山積する課題に対して、国民が見える形で次々と切り込む「東京大改革」への期待は、7割近い高支持率にもあらわれています。
知事就任後、東京・新宿の東京都庁には、国内外から多くの方々が訪ねて来ます。そして小池知事と会い、話をされた方の多くがファンになって帰られる。「実際に話してみたら、応援したくなりました」といった話だけでなく、「自分もやる気が出てきた」「何かに挑戦したくなった」「あきらめていた夢を思い出した」などの声を残されることも増えています。
私は人々を魅了する「知事の言葉」に強い興味を持ちました。なぜ知事の言葉は人の心を動かすのか。既成概念にとらわれず、ネガティブキャンペーンにひるまず、新たな一歩を踏み出すことをためらわない。このポジティブさが人々に勇気やヒントを与えているのだと思います。就任から今日まで、印象に残った知事の言葉をいくつか挙げてみます。
自分から求め、
チャレンジしていくしかない。
面会や取材などで、知事がよくされる質問「キャリアのステップアップを実現してきた秘訣は?」に対する答えです。人生の転換点を「待つ」のではなく、自ら好機を迎えるべく「仕向ける」のだそうです。ただ、景気と同じで、人生にも山と谷がある。「谷」のときは自己研鑽の時間に充て、チャンスが来たら一気に踏み出す――。これが小池流。多くの人は新しい世界に飛び込むことに慎重になってしまいがちですが、知事と話した人は「ポジティブな言葉」に背中を押されるようです。
やってみてほしい。
必ず、一歩前に出てほしい。
知事は都職員に、こう説いています。「失敗を恐れず、行動に移すように」と。この言葉はもともと親の教えだったと言います。その教えとは、「一歩跳ぶことでひっくり返るかもしれないけれど、何もしないよりは転びなさい。痛くても必ずプラスになる」というもの。知事は、この教えを守り続けているのです。