相手の住所がわからなくても、直接会えなくても、SNSやメールアドレスさえわかれば気軽にプレゼントを贈れるサービスをソーシャルギフトといい、多くの企業が参入している。利用手順としては、まず贈る側がソーシャルギフトサービスを利用してプレゼントを購入し、贈り先にメールやSNSでメッセージを送信する。受信した相手は、実店舗で商品を受け取ったり、配送先住所を指定したりすることでギフトを受け取ることができる。
ソーシャルギフトは、2011年頃から欧米を中心に広がってきたサービスだが、最近、日本でも浸透しつつある。矢野経済研究所の予測によると、国内市場規模は20年に1110億円になるという。ソーシャルギフトに詳しいエンパワーショップ代表取締役の西澤優一郎氏は「広まった背景にはSNSの普及がある。相手の住所が不要であり、SNSで繋がっていれば簡単に贈れる手軽さが若年層を中心に受けている」と話す。
なかには、企業とのタイアップでギフトを格安もしくは無料で提供しているサービスもあるが、「ギフトをきっかけに実店舗にお客を誘導する狙いがある。店舗に行けば、他商品も目に入るだろう」(西澤氏)。従来のお中元・お歳暮市場が減少するなかで、新たな贈り物需要を喚起する起爆剤の1つとなるかもしれない。
(写真=AFLO)