今年4月、米配車アプリ大手のウーバーは2020年までに「空飛ぶタクシー」の飛行試験を行うことを発表し話題を集めた。自動運転の実用化を進める同社のタクシーは、さらに進化を遂げそうだ。

エアロモービル社が発表した「空飛ぶ車」。(AFLO=写真)

世界中で複数企業が開発を進める空飛ぶ車には、2つのタイプがある。1つは翼を持ち、滑走を要する飛行機に似たもの。スロバキアのエアロモービル社が市販化を発表しているが、価格は120万~150万ユーロ(1億5000万~1億8700万円)と高額だ。もう1つはウーバーが用いようとしている垂直離着陸機(VTOL=Vertical Take-Off and Landing)。VTOLは米軍の航空輸送機オスプレイに使われている技術で、公道を走るオスプレイの小型版と考えていい。自動車評論家の桃田健史氏は「現在のオスプレイに見られるように安全性についての課題はまだあると思うが、基本的な技術は十分に研究されていると思われる」と話す。推進力を生み出す小型ローター(回転翼)のコスト削減がなされれば、量産化も可能だという。

空飛ぶ車はどのように普及していくのか。「基本的には一般顧客の所有機ではなく、商用による旅客運送が主体になるはず。軍需利用を考えている中国と、脱石油の新産業として注目している中近東で早期の量産化の可能性がある」(桃田氏)。

(写真=AFLO)
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