石井 一
神戸市須磨区に生まれる。民主党所属の参議院議員。前衆議院議員。国土庁長官、自治大臣、民主党副代表などを歴任。1957年甲南大学経済学部を卒業後、米国へ留学。スタンフォード大学院政治学部を修了。69年34歳で衆議院議員に初当選。76年運輸政務次官に就任。89年、国務大臣・国土庁長官として初入閣。98年には新・民主党の結成に参画。99年、民主党筆頭副代表に就任。通称「ピンちゃん」。愛煙家で、禁煙の飲食店では嫌味を言って、“食後の一服”のできる飲食店の拡充に努めている。
国会でのやりとりは“ちゃんばら”の世界です。
原稿を読んで終わり、というのが嫌で、閣僚の答弁に対して、その場で策を練って次の質問を突き付けます。閣僚の背後には官僚が資料を用意して控えているでしょう。それに負けないよう強烈な質問をする。“生きた議論”というのは、いわば段取りのない真剣勝負。ちゃんばらです。私が質問席に立つと、そういった期待が高まるようです。
武士は飽食はしないけれども空腹で闘うこともない、といいます。私も大食はしません。あっさりしたものがいい。1日に一食は麺類を啜り、夜は和食をいただく。日本食というのは繊細で美味いなぁ、ってしみじみ思います。酒はワインでもウイスキーでもなんでも呑みますが。
和食贔屓なのは、アメリカ留学時の恨みかもしれません。アメリカの食事は、まあまずいね(笑)。大雑把な味付けで量だけはたっぷり。あんなものばかりだと、本当に喉を通らなくなる。それで米を調達して釜で炊いて、塩をかけて食べた。海苔でもあればご馳走でした。
でも悪いことばかりじゃない。サラダを発明したんです。セロリ、パプリカ、にんじん、キャベツなどを切って塩、醤油、酢、生姜で味付けしてよく揉む。彩り鮮やかな“一(ピン)ちゃんサラダ”です。すぐに食べてもいけますし、時間をおくと味が沁みてまた美味い。これを毎日茶碗に2~3杯、何十年も食べ続けています。
繊細で瑞々しい野菜料理が食べたい。そんな切実な思いで作ったサラダです。政治家の議論も同じで、あたかも脚本があるかのような予定調和的なものはダメ。与野党双方が知力情熱の限りを尽くし、議論する。そうでなくてはいけません。