菊川 怜
1978年2月28日、埼玉県生まれ。血液型はAB型。水道橋にある桜蔭中学校・高等学校を経て、東京大学工学部建築学科卒業。在学中の98年に、オスカーグラビアグランプリを受賞後、モデルや女優、キャスターとして活躍。二級建築士の資格を持つ縁で、建築家の黒川紀章氏や隈研吾氏らと仕事をしたことも。建物は、素材やデザインも大切だが、機能性や居心地のよさも大事という持論を持つ。仕事先でも、動線やドアの位置などが気になるという建築マニアの面も。
私と水道橋は切っても切れない関係なのかもしれません。まず、東京ドーム。ジャイアンツにいた松井秀喜選手に予告ホームランをプレゼントしてもらったことがあります。「プロ野球ニュース」の取材をさせていただいたとき、「今日の試合ではホームランをお見せしましょう」っておっしゃって、本当に打ってくださった。うれしかったですね。以来私はジャイアンツファンです。巨人がリーグ優勝した2002年に開幕戦で始球式をしたこともあります。
水道橋にある桜蔭中学校・高等学校に6年間在学しました。「桜蔭坂」と呼ばれる坂道を「カラス」みたいに地味で質素な制服で通ったのです。
学生時代、たくさん勉強もしていましたが、遊びにも手を抜きませんでした。期末テストの帰りに、後楽園遊園地へ行ったり、カラオケやボウリングをしたり、映画もよく観ました。女優への憧れが芽生えたのは、そのころです。
東京大学の建築学科に進みましたが、理系的な考えに加えて、文系的な想像力もバランスよく身に付けたいと考えています。数学の「積分」だって、公式をただ暗記するだけでは応用がききません。二次元の平面上に広がるウニョウニョした曲線の面積を求めるには、部分、部分を短冊状に切り取って、一つ一つを小さな長方形にしていけばいい。その長方形の和が曲線の面積。そう想像して、この公式が生まれているのだと考えれば自然に数学が得意になるのだと思います。
海外へ行くときも、理系と文系の頭のバランスが重要です。危険回避にもつながります。
一度、直径30センチくらいのダチョウの卵の目玉焼きを食べておなかを壊してしまったことがあります。ちょっと生の部分があったのです。だからといって食べるのをやめたくない。旅行を楽しみ、現地の物を食べ、土産話にしたいのです。
そこで、エジプトで鳩の丸焼きを食べるときは慎重になりました。内臓を取ってハーブで味付けをしたごはんを詰めてあるのですが、目が生だったんです。私は経験から想像して「食べてはいけない」と解を導き出したのですが、実際に食べた人は体調を崩していました。
これからいろいろなことに挑戦したい。初めてのことをするには物理の「初期摩擦係数」と一緒で、初動に十分なエネルギーが必要となります。私はそれを食事を通して蓄積するのです。