介護費用の自己負担率が一律3割になる日
12月22日、2017年度の予算案が閣議決定されました。その中に盛り込まれたのが膨れ上がる社会保障費を抑制するための制度見直し方針です。
介護分野では、現役並みの所得がある高齢者(年金収入のみで年383万円以上の単身者)に限りますが、2018年8月から介護保険の自己負担割合を2割から3割に引き上げるといった内容。新聞各紙は高齢者の負担が増えると報道しています。
この制度見直しを介護現場で働いている人たちはどう受け止めているのでしょうか。ケアマネージャーのIさんに聞いてみました。
「利用者さんのなかには1割負担でも大変な方はたくさんおられますし、介護保険制度を維持するために経済的に余裕のある方に応分の負担をしていただくのは仕方がないのかな、とは思います。ただ、介護負担が一律1割だったのが、2015年の8月から一定の収入がある方を対象に2割に引き上げられたことは大きな話題になり、その是非を問う声も出ました。それから間をおかずに3割負担の決定がされたのは、介護保険の財源が相当厳しくなっていることを感じます。この流れを見ると、大半の要介護者とその家族が享受している1割負担は維持できず、一律2割負担という話もすぐに出てくるのではないか、そしてその割合はさらに増え、負担増から満足な介護が受けられない人が大量に出てくる時代が迫っているという危機感を持っています」
ただ、実際に介護をした人でなければ、介護保険における自己負担割合といわれても、今ひとつピンと来ないのではないでしょうか。
今回はそうした介護にまつわるお金の話について書いていこうと思います。