介護費の自己負担は親の年金では足りない場合も
ここまで記してきたのは自己負担1割での出費。これが2割負担、3割負担だとどうなるでしょう。前出のデイサービスは2割負担だと800円の部分が倍になって1600円。昼食代などの1000円がプラスされて1回2600円になります。
3割負担だと3倍の2400円プラス1000円で1回3600円。月に12回利用すると、これだけで4万3200円になります。
まあ、月々の自己負担額が規定の上限(たとえば年金などの収入が現役並みにある世帯は4万4000円)を超えると、超過した分が払い戻される「高額介護サービス費」という制度があるので、出費が際限なく増えていくわけではありませんが、負担が重くなることは確かです。
「介護は突然始まることが少なくありません。たとえば脳梗塞や転倒での骨折が原因で要介護状態になる方がおられます。3万円から4万円という金額を高いと感じるかどうかは人にもよると思いますが、それまで考えてもいなかった出費がいきなり始まり、ずっと続くことになるのはきついとおっしゃる方は多いですね」(Iさん)
介護費の自己負担は親自身の年金や預貯金などを充てるケースが多いが、場合によっては、在宅介護する子供世代が一部を負担を余儀なくされることも少なくない。親が急に倒れて、精神的かつ経済的なショックやダメージを受けないためにも、介護を想定した心とお金の準備をしておいた方がよさそうです。