突然、親の介護をすることに……。そんな時、サポートしてくれるのがケアマネージャーだが、性別やタイプによって付き合い方は違う。ライターの相沢光一氏が、その実態を紹介する――。

ケアマネージャーの性別で介護内容は変わるのか?

老親など家族が要介護になり介護生活が始まると、密接な付き合いをすることになるのが介護支援専門員=ケアマネージャー(以下、ケアマネ)です。

利用者(要介護者)の状態をチェックし、また介護を担う家族の事情を聞きながら、必要と思われる介護サービスを組み込んだケアプランを作る。介護生活を支える専門家といえます。

ただ、介護が始まる前や、始まったばかりの頃は、ケアマネがどのような役割を果たす存在なのか、今ひとつピンとこない人も多いと思いでしょう。本連載「介護ドキュメント」の項でも書きましたが、それをイメージしやすいように教えてくれたのがケアマネと接する機会が多い、福祉用具レンタル会社のIさんでした。

「スポーツチームの監督のような役割を果たす存在」

ケアマネとはそういう存在だとIさんは言うのです。スポーツチームの監督は、チームを試合で勝たせるためにさまざまなスキルを持った選手を適材適所に配置して采配を振るいます。介護も、ホームヘルパー、訪問看護師、デイサービス事業者職員など、さまざまな専門性を持った人たちによる、いわばチームプレー。利用者の身体の状態や家の事情などをくみ取り、それに適したサービス事業者を選ぶことを含めてケアプランを作るのがケアマネの仕事です。私自身も父親の介護をしていた時は、ケアマネがどのような役割をする人か、はっきりわからずにいましたが、このたとえを聞いて納得できました。

もっとも、この説明にはしっくりこない部分もありました。

スポーツチームの監督はほとんどが男性ですが、多くのケアマネは女性です(我が家を担当した方も女性でした)。厚生労働省の統計によれば女性78.2%、男性21.8%。8対2の比率で女性が多いのです。

そこで、介護現場の事情について、いつも話を聞いているケアマネのIさんに聞いてみたいことが頭に浮かびました。

・なぜ、ケアマネには女性が多いのか。
・ケアマネの女性と男性の違いやそれぞれのメリット・デメリットは何か。
・ケアプランの作り方の傾向はケアマネの性差が出るのか。

もちろんケアマネにもいろいろなタイプがいて、単純に女性と男性とに分けて語ることはできないでしょう。ただ、現場で働くケアマネが感じていることはあるはずです。そうした前提のうえで、あくまで一般論として語ってもらいました。