女ケアマネと男性要介護者のよくある揉め事とは?

なお、Iさんは男性ですが、女性ケアマネのYさんにも同席してもらい、男女双方からの話を聞きました。

まず、なぜ女性のケアマネが多いのかについて、Yさんはこう語ります。

「もともと医療・介護分野は女性が多い業界なんです。看護師は9対1、ホームヘルパーは8対2、福祉施設の職員は大体7対3で女性が多い。身体援助、生活援助など人のお世話をする仕事には女性のほうが向いているという考え方が根強くあって、それが今も続いているということだと思います」(Yさん)

ケアマネの資格は介護福祉士、社会福祉士、看護師などの法定資格を持っていて、5年以上の実務経験がある者が受験し合格することで与えられますが、ホームヘルパーからなる人も少なくないそうです。ホームヘルパーは女性が多いのですから、ケアマネの女性比率も当然高くなるわけです。

次に、男女別のメリット・デメリットです。

「ケアマネは状況把握のため、利用者さんやご家族からよく話を聞く必要があるのですが、女性のほうが話しやすいとは言われますね。たとえば排泄の問題など、女性の利用者さんは男性ケアマネには話せないというんです。一方、男性の利用者さんは女性ケアマネに対してそれがいえるわけです」(Yさん)

そうした点でも女性ケアマネのほうが、ニーズが高いのかもしれません。

「でも、女性ゆえに利用者さんともめるケースもあります。ケアマネは時として、サービスの必要性を強く伝えることがあります。でも、高齢の男性利用者さんの中には男尊女卑的な考え方を持った方がいて、それが気に障る。“女の指図は受けない!”と怒鳴られて、男性ケアマネに交代されられたことがあります」(Yさん)

また、女性ケアマネは女性利用者ともトラブルになることがあると言います。

「女性って感情が優先する部分があるじゃないですか。女性同士でほんのちょっとした言葉の行き違いで信頼が失われ、嫁姑のような関係になってしまうケースがあります。こうなったら、担当は続けられませんよね。男性の場合は感情的になる人は少ないですし、そうしたトラブルはあまり聞きません」(Yさん)