矢野経済研究所の調査によると、2015年度の国内クラウドファンディングの市場規模は前年度比68.1%増の363億3400万円だった。同市場は成長を続けており、16年度も前年度比31.5%増の477億8700万円になる見込みだ。
クラウドファンディングは「寄付型」「購入型」「投資型(ファンド型)」「貸付型」などのタイプに分類される。この中で、16年度に最も大きく成長すると見られているのが前年度比81.3%増が見込まれる購入型だ。購入型は、支援者がプロジェクトへ出資した場合に、その見返りとして商品やサービスを受け取る、というものだ。
購入型のクラウドファンディングサービス「Makuake」を提供するサイバーエージェント・クラウドファンディング取締役の木内文昭氏は「スタートアップから大企業まで、様々な規模の企業がクラウドファンディングを利用しています」と語る。最近では本来の資金集めという目的に加え、テストマーケティングやPRを目的としているケースが増えているという。木内氏は「Makuakeを利用することにより、先行予約販売によって在庫を抱えるリスクなく新商品販売時の需要が予測できたり、メディアにニュースとして取り上げられ販路が広がるといったメリットがあります」と説明する。
(大橋昭一=図版作成)