EUの将来が不透明だ。英国の離脱に続き、加盟各国で民族主義や反EUの動きが台頭。第二、第三の英国が出てきかねない。

3月15日のオランダ下院選挙はその行方を占う注目選挙となった。結果は事前の予想を覆し与党・自由民主党(VVD)が第一党を死守。反EUを掲げた極右政党の自由党(PVV)は躍進したが、第二党にとどまった。だが、今後も4月・5月の仏大統領選挙、6月の仏総選挙、そして9月の独総選挙と重要選挙が目白押し。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの土田陽介研究員は、日本への影響をこう指摘する。

「荒れ模様の展開も予想される中で、円高株安圧力がかかりやすくなる。さらに、日欧のEPA(経済連携協定)交渉の妥結に遅れが生じるでしょう」

EPAの政府間協議は大詰めを迎えつつあるが、当初見込まれていた3月中の妥結は困難となり、最終合意は一連の選挙後ではないかという。

「日本との協定にEU内の反保護主義派の期待が高まっていたのは事実です。ただ、やはり選挙でガス抜きをするまでは、様子見の雰囲気が高まるでしょう」(土田氏)

まずは第1回投票を4月23日に控えた仏大統領選挙だ。極右政党・国民戦線の党首ルペン候補は、現在、支持率2位である。

(大橋昭一=図版作成)
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