JCB、旧三和などの出身者が起業
代表の丸山氏は新卒で1999年にJCBに入社。当時はビッグデータとは呼んでいなかったが、カードの履歴データを分析して不正を検知するとか、マーケティングに活用する仕事に何年か携わった。その後、JCB社内で新規事業、M&A部門に移り、外部のベンチャー企業と共同で新規事業を立ち上げる仕事を行っていたが、もともと、起業に興味があり、JCBの仲間4人と共同で出資をしてインフキュリオンを設立した。10年前、2006年のことだ。
当時はまだ、フィンテックという言葉はなかった。主に決済系の新規事業を支援するコンサルティング事業のほか、スマホやタブレット端末でクレジットカードの読み取りを行う、決済事業のリンク・プロセシングを立ち上げ、「自らフィンテック企業だが他の企業のフィンテック事業を推進する事業を行ってきた。リンク・プロセシングにはNTTドコモ、JCBなどが資本参加している」と丸山代表はいう。
インフキュリオンという名前はinfinite(無限の)と、curiosity(好奇心)の組み合わせ。
「特定のサービスに限定しないで新しい事業を行おうという意味を込めたものだ」(丸山代表)。
子会社のネストエッグは2016年4月1日に設立。インフキュリオン・グループとネストエッグの代表取締役を務める田村栄仁氏が共同で出資をして設立した。田村氏は1996年に旧・三和銀行へ就職。営業店2カ所を経験した後、三和銀行が出資して設立した中小企業向けポータルサイトを展開する企業への出向経験を持つ。
現在のフィンテック・ブームに先立つ時代から新規事業に携わってきた経験から丸山氏は「大手企業がいきなり立ち上げることができるサービスはコンサルティングという形で一緒に行い、リスクがありなかなか決断できないものを、ベンチャー企業としてまず手掛けてみるという役割を担ってきた」「スマホ決済も当初は反対されていたが、徐々に認知され提携をしていただいた」と語る。
finbeeは住信SBIネット銀行のほか、現在、メガバンクや地方銀行など数十の金融機関との連携を企画中。計画では「5年後にアクティブユーザーが100万人。これ位は確実に行くだろう」と丸山代表。自信の背景には家計簿アプリが数百万ダウンロードされていることがある。
また金融機関とのAPI接続のほか、旅行会社、家電販売量販店などとのAPI接続を計画しており、将来的には東南アジアでのサービス展開や蓄積されたデータを活用した新たなフィンテックサービスの展開も計画している。