「生活の貯金化」というコンセプト

「貯金をしているがもっと貯金をしたい」65%、「貯金ができていないが貯金を始めたい」25%。日本の消費者の9割以上が、貯金に強い関心を持っている――。

意欲はあるのだが、なかなか実行に移せない貯金を手助けする新しいフィンテックサービスが年内に始まる。

ネストエッグ(東京都千代田区、田村栄仁代表取締役)は住信SBIネット銀行と提携し、日本で初めて、銀行の更新系API機能(※)を実装した自動預金サービス「finbee(フィンビー)」を年内に開始する。

<※更新系API=銀行の認証基盤において顧客の口座契約を認証することで、サービス提供事業者がログインID、パスワード、個人情報などを保有することなく、普通預金口座とその一部である貯金用口座間の振り替えなどができるシステム接続方法>

ネストエッグの親会社・インフキュリオンの丸山弘毅代表はこのサービスについて「生活の貯金化がコンセプトだ」という。「日本では家計管理や投資は一定のレベルに達していない。例えば投資に比べると現預金比率が圧倒的に高い。クレジットカードも持ってはいるが、使っている人は半分もいない。インターネットバンキングの利用率も低い」。

そこで「生活者目線で気が付いたら便利に使っていたと思えるようなサービス。ユーザーの日常行動から自然に貯金できるシーンに着目した」と丸山代表はサービス創造の動機を述べる。

例えば家族旅行を計画するが、今、手元にお金がない。3カ月、4カ月後、「お金が貯まってからにしよう」とするが、貯金は難しい。ついつい使ってしまう。そこを自動的に貯金ができる方法を編み出し、そのプロセスをスマホアプリで提供することを考えたという。

日常生活が貯金に密接になる「生活の貯金化」というコンセプトだ。