NECはFinTechで起死回生なるか?
日本を代表するIT企業であったはずのNECだが、この数年、業績を落とし、全く冴えなかった。そのNECが久方ぶりに明るい話題を発表した。テーマは今、旬の「FinTech(フィンテック)」(金融とITの相乗)。
8月31日、三井住友銀行(SMBC)と共同出資会社を設立し、スマートフォン(スマホ)を使った新しいサービス「コンビニ収納サービス」を来年(2017年)2月から始めると発表した。
今年に入り、銀行法が一部改正されるなど、フィンテック産業開花の土壌は整ってきたが、具体的に金融機関がIT企業と新会社を立ち上げるのは初めて。フィンテックという新分野が、かつてC&C(コンピューター・アンド・コミュニケーション)を標榜して日本の情報通信分野をリードしたNECの事業をどれだけ拡大させていく可能性があるのか注目したい。
新会社は「brees」(東京都渋谷区、資本金3.4億円:NEC 85.1%、SMBC14.9%、代表者:佐藤洋史氏)。2014年12月にスタート。サービス実用化に向け実証実験などを進め、これまで事業の可能性を探ってきた。現在、従業員4人。コンビニで公共料金や通販代金を支払う「コンビニ収納市場」は毎年3~4%伸長しており、2015年の取扱金額は約10兆円、取扱件数は年間10億件の規模にあるという。
このコンビニ店頭での処理作業だが、これまで桁数の大きなバーコードをスマホの画面に表示させると、レジのスキャナーで読み取りにくいという問題があった。今回、コンビニ収納で標準的に採用されている44桁のバーコードをレジのスキャナーで正確に読み取る新技術を開発した。