法則(6)論理だけでも感情だけでも人は動かない

誰かを説得しようとするとき、論理的に諭すタイプの人と感情に訴えるタイプの人がいます。

相手やシチュエーションによって、どちらもそれなりに効果を発揮するでしょう。ただし、相手に大きな決断をさせようとするなら、どちらか一方では足りないかもしれません。論理に納得し、気持ちが動いてこそ、人は行動を起こすものです。

論理的な思考と、人としての熱い想い。二つをコントロールしながら相手に向き合うことができれば、多くの協力者を得て、ビジネスを発展させることができます。

うまくいっている女性は、どのようにその力を身に付けたのでしょうか。

◆重松和佳子さんの場合

「前職は消費財のルート営業でした。取引先の店舗に出向く際には、単なる『顔つなぎ』で終わるのではなく、1回1回の訪問目的を意識。商談時の相手のリアクションや課題に対して、『なぜ?』『どうして?』の思考を日々繰り返すことによって論理的な課題解決法を提案できるようになりました。けれど、ライフプランナーになってからは、論理性だけでは不足で、相手の感情を動かすことが大切と実感しました。どうすれば相手の感情に響くかを考え続け、見つけた答えは『自分が相手を本気で愛すること』。そうすれば、相手の利益や幸せを心から願うことができ、相手のためになる行動や言葉選びができます。真摯な愛情は必ず伝わるし、本気の感情で向き合えば、本気の感情が返ってくると実感しています」

◆冨田香織さんの場合

「管理職に就任して、ライフプランナーの活動を支援するようになった当初、『成功してほしい』という感情のみで、メンバーたちにぶつかっていました。成功の道を示すため、理論を持ち出して『今のやり方じゃダメ』と厳しく指摘したことも。でも、それでは人は離れていくだけだと気付いたんです。以来、メンバーが自分自身の思うとおりにやるのを見守り、できたときにほめて自信を付けさせる、という方針に転換。指示・指導をしたくなる気持ちを抑え、質問とちょっとしたヒントの提供を繰り返すことで、メンバーが自分で気付くように仕向けています」

※本連載は書籍『人生でチャンスをつかむ女性の10の法則』(プルデンシャル生命 チーム「Make a Chance」著)からの抜粋です。

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