自衛隊はやることすべてが過剰に丁寧である。先日の陸上自衛隊の観閲式でも異常に丁寧な「野戦陣地」の作成が指示された。NHK大河ドラマ「真田丸」のオープニングの土壁や高級ケーキのように滑らかな断面で、小石ひとつない。現場の隊員に作成にかかった日数を聞けば、「実戦では半分の日数で作りますが、公開用に丁寧に作りました」とうんざりした様子。言わずもがなだが、野戦陣地は即席で作り、移動のたびに放棄するものだ。
こうした無意味な努力は現場の隊員を疲弊させ、実戦的な訓練から遠ざけるだけである。実際、真面目な隊員ほど、総火演、観閲式、初降下訓練、基地祭等、戦技の向上に繋がらない広報活動に多大な訓練時間を費やすことに辟易し、実戦的な訓練ができないことに強い危機感を抱いている。しかも、こうした現状は米軍関係者からも強く批判されている。元海兵隊大佐のニューシャム氏は「自衛隊の過剰な広報活動は歌舞伎のようなショーにすぎず、日本国民を勘違いさせる無益なものだ。これにかかる時間と弾薬を実戦的なものに使うべし」と論陣を張っている。
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