外国人にマッチしたホテルを建設中

【田原】最初にインバウンド事業の全部に参入したいというお話がありました。今後はランドオペレーターだけでなく、ほかにも展開していくのですか。

【須田】いま訪日観光用のホテルを建設中です。現状、僕らのお客様の7割はリーズナブルなビジネスホテルに泊まります。ただ、ビジネスホテルは日本人出張者のためにつくられているので、外国人にマッチしていません。たとえば朝食のビュッフェは和食中心でメニューの数が少ないし、海外旅行で荷物が大きいのに、それを広げられるスペースもありません。一方、出張でお疲れの日本人宿泊客からしても、海外に来てテンションが上がって騒いでいる外国人観光客と一緒になるのはつらい。これは誰もハッピーじゃないので、いっそ自分たちで訪日観光客専用のホテルをやることにしました。

【田原】でも、ホテルはお金がかかって経営のリスクが高まるんじゃないですか。

【須田】建物は別にホルダーがいます。僕らはオペレーションだけなので、お金はそれほどかかりません。昨年は23万泊以上を手配しましたので、100室つくっても必ず埋まります。最初のホテルは来年4月オープン。年に2棟ペースでつくっていくつもりです。

【田原】ホテルのほかにも考えているのですか。

【須田】はい。ありますが言いたくありません(笑)。目指しているのは訪日観光産業界のSPA(製造小売業)です。僕らは外国人観光客に、人生に残る思い出をプレゼントすることを理念としています。訪日観光産業を垂直統合していくことによって、それを実現したいと考えています。

須田さんから田原さんへの質問

Q.僕は死が怖い。田原さんにとって「死」とは?

【田原】僕は自分がまさか80歳まで生きるとは思っていませんでした。いまは人生の付録。失うものは何もないから、やりたいことをやっています。

理想的な死に方は、「朝まで生テレビ!」の本番中に死ぬこと。田原が急に静かになったと思ったら、実は死んでいたというのが面白いでしょう?

現実的には、夜寝てそのまま起きなかったという死に方もいいですね。僕は娘から「お風呂上がりと朝起きたときに必ず電話しろ」と頼まれていて、その通りにしています。だから朝電話がかかってこなかったこなかったときが、僕が死んだとき。たぶん前の晩もギリギリまで仕事していると思うけど(笑)。

田原総一朗の遺言:本番中に死ねたら本望!

編集部より:
次回「田原総一朗・次代への遺言」は、LINE社長・出澤剛氏インタビューを掲載します。一足先に読みたい方は、11月14日発売の『PRESIDENT12.5号』をごらんください。PRESIDENTは全国の書店、コンビニなどで購入できます。
 
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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