スクラップとは「編集」である
スクラップを始めたのは小学校1年生のときだから、かれこれ50年になりますね。始まりは「怪獣スクラップ」。当時、発売されたばかりだったコクヨのスクラップ・ブック「ラ-40」に、雑誌や新聞で見つけた怪獣の記事を手当たり次第に切っては貼る毎日でした。その後、「仏像スクラップ」を経て、現在の「エロ・スクラップ」に至るわけですが、文字通り「ラ-40」とともに歩んできた「スクラッパー」人生でしたね。
エロだけでも458巻に達していますが、過去の「作品」を見返すことはありません。1980年代のAVを観ても、もうグッとこないでしょう? ビジネス情報も同じでしょうが、どんどん時間が過ぎるのが早くなっているので、振り返ることにはあまり意味がない。そこはドント・ルック・バックで、自分の琴線に触れた何かを次々と貼りたおしていくのが「スクラッパー」としては気持ちいいわけです。
今思えば、子供の頃から「情報」そのものよりも、自分なりに情報を「編集」したいという思いが強かったんでしょうね。怪獣や仏像をどれだけ好きかという「熱量」を表現するため、売られていた状態とは違うものとしてスクラップ・ブックの見開き2ページにどうレイアウトして見せていくかということだけに心血を注いできました。
当然、熱量は高くなる。でも、見ているほうにとっては、「ツー・マッチ」で辛いんです。初めは友達に見せていましたが、「もう見たくない」と言われるようになって……。それからは、自分編集長、自分レイアウター、自分読者でやってきました。