進化する牛肉ブーム
夏が近づくにつれ、スタミナのあるものを食べて気力・体力を充実させたい人も多いのではないでしょうか。そんなときには「肉」が選ばれる機会は多いですし、中でも「牛肉」はその存在の華やかさもあって重宝されます。外食の世界を見わたすと、この5年ほどで肉や牛肉を取り巻く様相は大きく変わってきています。
2010年前後から、ステーキなどのボリューム満点の肉料理をウリにしたビストロやバルが街に急増しました。それらは「肉バル」のように呼ばれ、カジュアルなワインをがぶがぶ飲みながら、気取らずに仲間とワイワイ楽しむスタイルが定着していきました。
この進化形として、希少性やおいしさで差異化を図るべく「熟成肉」を打ち出す店が増えていきます。また、「俺のフレンチ」や「いきなり! ステーキ」など多店舗展開するところが出てきて、「立ち食い」という形態も含めて、肉ブームをさらに後押ししていきました。
また同時に起きている別の流れとして、焼肉店の進化が挙げられます。焼肉という業態はこれまで比較的変化の少ない領域でした。まずはレバ刺し(懐かしい!)とキムチやナムルを頼み、そしてタンやカルビ、ロース、ハラミ、ホルモンなどを焼いて楽しみ、スープ類や雑炊、冷麺で締めるというのがほとんどです。店ごとの違いと言えば、価格以外には松阪牛やA5など肉の産地や質の差のことであり、あとは内装の豪華さやモダンさを競う程度でした。