【オーナー】「ところで店長、今週の売り上げはどんな調子になっているのかな？」
【店長】「はい。月曜が52万円、火曜51万円、水曜56万円、そして木曜57万円となっています」
【オーナー】「そうすると平均では52＋51＋56……」
【店長】「（瞬時に）1日平均で54万円です」
【オーナー】「そうか、まずまずだね。それにしても店長、電卓を使わなくても、すぐに平均を計算できるなんてすごいね」

さて、みなさんは店長のように素早く平均を暗算することができるだろうか。

統計において平均は、最もメジャーな数値である。ビジネスの場でも平均は扱う頻度が高いだけに、簡単な数値の平均なら暗算で求められるようになっておきたいものである。

平均の一般的な求め方は、「合計÷個数」だから、今回の場合は「（52＋51＋56＋57）÷4」となる。暗算するには少し面倒だろう。

そこで誰でもすぐにできる、とても便利な方法をご紹介したい。それは「仮平均」と呼ばれる基準を決めて、その基準との差から平均を求めるというものだ。

まず、仮平均の数字を自分で任意に決める。キリのいい数を仮平均にすると計算しやすくなる。今回の場合は、50台の数字が並んでいるので、キリのいい50を仮平均にする。

次に、それぞれの数値と仮平均との差を求めると「52－50＝2」「51－50＝1」「56－50＝6」「57－50＝7」となる。これらの差を合計すると、「2＋1＋6＋7＝16」だ。これを個数（月～木曜の日数）の4で割ると「16÷4＝4」。この4を仮平均の50に足すことで、「50＋4＝54」の平均を導く。

ちなみに今回は50を仮平均にしたが、49や51など、どの数字を仮平均にしても求められる。