「女性にモテる人」を選ぶ会社はどこだ

求める能力は同じでも新卒のチェックポイントは人事担当者によって違います。営業職に不可欠なねばり強さや打たれ強さを見抜くポイントについて「これまでの人生で何か重いものを“背負った”経験がある人」と言うのは電子部品メーカーの人事部長です。

「たとえば地方の貧しい家庭に育ち、周囲の期待を一身に背負って上京し、苦学しながら学業に専念してきたようなタイプです。一般の学生のように遊ぶことも我慢し、働きながら学業も続けてきたので、ちょっとやそっとの辛い経験をしてもへこまない根性を持っていると思います」

『人事部はここを見ている!』溝上憲文著(プレジデント社刊)

同じ営業でも自社の美容部員と接することの多い化粧品会社の男性営業職の場合は、ズバリ「女性にモテる人」と言うのは化粧品会社の人事課長です。

「最前線の美容部員に新商品を気持ちよくお客様に売ってもらうようにすることが営業職の大事なポイントです。そのためには彼女たちに気に入られることが肝心。女性に嫌われるタイプではダメです。どことなく憎めない、かわいげのある人。面接では女性にモテそうだなという人を選んでいます」

お客を心地よい気持ちにさせるのは旅行業界も同じです。旅行会社の人事部長は面接では「家族の多さ」をチェックしていると言います。

「祖父母やおじさん、おばさんが近くにいるような大家族に囲まれて育った学生は、世代を超えて苦もなく誰とでも気軽に話せる傾向があります。逆に核家族で育った人は、高齢者のお客様の対応は一応こなせますが、終わると『ふーっ』とため息をつく人が多いですね。大丈夫かなと思ってしまいます」

もっと厳しいのはホテル業界です。大手ホテル会社の人事課長は採用現場でのチェックポイントをこう言います。

「面接前の控え室の様子などをすべてチェックしています。足を広げてだらしない格好をしている人もいます。あるいは椅子から真っ直ぐ立てないとか、歩く姿勢がおかしい人は落としています」

面接会場に一歩足を踏み入れたら要注意。どこを見られているのかわかりません。

※本連載は書籍『人事部はここを見ている!』(溝上憲文著)からの抜粋です。

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