億単位のビジネスを動かす外資系投資銀行。彼らの使うプレゼン資料はシンプルで見やすいが、それゆえに商談を勝ち取るだけの様々なテクニックが隠されている。そんな資料作成の秘策を『外資系投資銀行の資料作成ルール66』の著者が教えます。

ラフなドラフトでイメージを掴む

今回のコラムは、プレゼン資料のドラフトについてお話ししましょう。よく、「プレゼン資料を作成する際、いきなりパワーポイントを使って作成すると時間がかかってしまうので、まずはラフなドラフトを作ってから、パワーポイント作業に取り掛かるとよい」という話があります。

『外資系投資銀行の資料作成ルール66』熊野整著 プレジデント社

ではこのドラフト、どのように作成すればよいのでしょうか?

やはり多いのが、手書きでドラフトを作成するパターンです。A4サイズ、場合によってはもっと大きな紙に、ボールペンでプレゼンイメージを書いていくわけです。ところがボールペンの場合、一度書いたら消せないというデメリットがあります。

私が投資銀行にいたころの先輩は、ボールペンではなく、シャーペンを使っていました。理由は、消しゴムで消して修正することができるから。「社会人にもなってシャーペン使っているのか! 学生じゃあるまいし!」と驚きましたが、たしかに合理的だなと納得したのを覚えています。最近は消せるボールペンもありますね、それも便利そうです。