億単位のビジネスを動かす外資系投資銀行。彼らの使うプレゼン資料はシンプルで見やすいが、それゆえに商談を勝ち取るだけの様々なテクニックが隠されている。そんな資料作成の秘策を『外資系投資銀行の資料作成ルール66』の著者が教えます。

テキスト+線だけでスッキリ資料に

プレゼンというものは、勝とうと気合いが入るほど、その気合いが空回りする場合があります。早口でしゃべりすぎて相手が理解できなかったり、長く話しすぎて時間内にプレゼンが終わらなかったり。そのような場合には、一度リハーサルをして所要時間を確認し、時間オーバーであれば話す内容を少なくする、というプロセスを踏む必要があります。「本番では時間内に収めればいいか」と思っても、なかなかうまくいきません。

『外資系投資銀行の資料作成ルール66』熊野整著 プレジデント社

プレゼン資料の作成についても同じことが言えます。気合いが入りすぎたプレゼン資料は見にくいことが多いです。文字が多すぎて見にくくなってしまった、というのは典型的なパターンです。また、見せたい数字やグラフを赤で目立たせていたら、気が付いたら真っ赤な資料になっていた、ということもしばしば。

もう1つ典型的なパターンが、図形を使いすぎて、資料がごちゃごちゃになってしまう場合です。図形が多いプレゼンは、どうも資料が重たいといいますか、やぼったい印象になってしまいます。一方、まったく図形がない資料というのも素っ気ないので、このあたりのバランスがむずかしいところです。