「仮説立案」「構成・文章化」「ビジュアル化」の3ステップ構成。各ステップの講義&練習問題であなたの資料作成力がぐんぐん伸びる。

ビジュアルの使い分け

精魂込めてつくり上げたメーン&サブのメッセージをいかに伝えるか。効果的に視覚化することが資料づくりの総決算です。

まず重要なのが、何をどのようなビジュアルで表現するのかという判断です(図を参照)。縦軸は、人が一度に受け取れる情報量の多寡。横軸は、表現するものが事実情報なのか、概念なのか。訴えたい内容によってビジュアル表現は変わります。

例えば、メッセージが「SNSとは◯◯である」というように概念が形成されるプロセスの紹介であれば「図解」が適切でしょう。また、メッセージが「SNSで脱メール」のような短いコンセプトであれば、「テキスト」だけで表現したほうが効果的です。思い切ってA4・1枚に大きなフォントでキーワード一つというほうがインパクトを出せることがあるからです。ビジュアル化といっても、必ずしも図解化したり、絵を描いたりしなくてもいい場合もあります。

さらにメッセージの根拠・裏付けとなる現状分析結果などは事実情報なので「表・グラフ」という表現が最適です。

テキスト・表の使い方

まずはテキストで表現する場合について解説しましょう。

テキストはすべての表現のベースとなるもの。言葉を厳選して「情報の質」を高めることにエネルギーを注ぐべき。しかし、多くの資料を見ていると「質の悪い言葉」にたびたび出くわします。頻出ワードとして「バリュー」「課題」「コミュニケーション」「協業」などがあげられます。ほとんどの人が意味をしっかり定義せず、何となく使っています。「バリューって何ですか?」と問うと、きちんと答えられないのです。「マーケティング」「ソリューション」など相手の年代やその人が属する業界によって意味・解釈が異なる場合もあります。言葉の選択は慎重に。これがポイントです。