毎月の赤字額10万円超だったダメ家計も8万円超の黒字に大改造! 家計再生のプロ・横山光昭さんが、実際にあったダメ家計簿10件の改造例をもとに、今すぐ取り入れられる家計再生アイデアの数々を伝授する。
家族構成●夫(37歳・百貨店勤務)、妻(29歳・Webライター)、長女(5歳)、長男(3歳)
年収●額面=890万円/手取り=690万円 月収●手取り=夫43万円、妻3.8万円
ボーナス●夏=64万円/冬=64万円 貯蓄額●410万円
近藤さんの夫が浮気に走ったのは、家の中が帰りたくなくなるほど散らかっていたからだという。妻はもともと片付けが苦手だったうえ、まだ幼い2人の子育てに追われ、惨状は悪化の一途をたどっていたのだ。
とはいえ、そのことで浮気が正当化されるわけもない。妻の受けたショックは大きい。出産に育児にと「こんなに頑張ってきたのに」との強い思いもあり、夫の裏切り行為を許すわけにはいかなかった。
そのはけ口となったのが「お金を使うこと」。負い目のある夫は、求められるがままにお金を出すしかなく、妻は周囲に「夫は現金にしか見えない」と触れ回るほどに。
食材はネットスーパーを利用し、雑貨や洋服も買いまくり。夫の洗い物はほとんどクリーニング店任せ。週末になると「さぁ、出かけるわよ。あなた、20万円の用意はできてる?」などとくる。連休ともなれば旅行が当たり前。その傍らで、夫の小遣いは浮気防止のため大幅に削られた。
ただ、子供の将来を考えれば毎月4万円近い赤字が続いていることには、さすがに妻も不安を覚えたようで、いよいよ家計再生の相談に来たというわけだ。
とはいえ近藤さんの場合、まずは家庭内不和の改善がなにより先。それを実現しながら家計の見直しを行っていくことが重要だった。具体的には夫が家事に協力すること、そして妻には過去を忘れてもらうことである。
食費は、少しずつ夫が自炊に協力する形にし節約していった。片付けや育児にも夫が協力。その代わりといってはなんだが、月2万円に抑えられていた夫の小遣いは、5万円にアップ。ただし、家族の娯楽費の多くを夫の小遣いから支出することにしたのだ。
これにより、家族でどんな楽しみを持つかといった夫婦の会話が増え、「浮気」の負い目を感じていた夫を立てる形にもなり、徐々に家族の和が戻りつつあるという。
マイエフピー代表取締役社長。庶民派ファイナンシャル・プランナーとして、8000人以上の赤字家計を再生。著書に『年収200万円からの貯金生活宣言』シリーズなどベストセラー多数。