史上最年少の大富豪神話のニューヒーロー

「Facebook」の創業者マーク・ザッカーバーグの2015年の資産額は、334億ドル。前年の285億ドルから17%増で、世界ランキングも21位から16位へと上昇した。16年に公表された資産額は446億ドルとさらに稼いで世界ランキングは6位に大躍進した。

佐久間奏=イラストレーション

マーク・ザッカーバーグの大富豪への道は、超名門校ハーバード大学2年に在学していた2003年秋に始まった。1984年5月14日生まれだから、そのとき19歳だ。

大学のサーバーから抜き出した女子学生の学生証用顔写真を2枚表示し、どちらがかわいいかを訪問者に選ばせる「Facemash.com」という比較評価サイトを立ち上げた。アクセスが殺到したが、開始後数時間で大学の職員によりザッカーバーグのインターネットアクセス権が停止されてしまう。ザッカーバーグは「情報は自由で公然と利用可能であるべきだ」と主張して、ハーバード大学ドメインのメールアドレスを持つ者だけが参加できるSNS「Facebook」を立ち上げて休学、中退した。

これが、世界最大のSNSが誕生した瞬間である。Facebookはだんだん参加できる大学を増やしていき、その後だれでも参加できるようになった。

創業した04年2月かから4年半後の08年8月にユーザー数が1億人を突破。まさに昇竜の勢いだったが、これはほんの序章に過ぎず、09年4月に2億人、10年5億人、12年1月8億人、13年11億人と、会員数は燎原の火のように広がり続け、その間の10年、マーク・ザッカーバーグは「フォーブス世界長者番付」の212位に躍り出た。

かくて、マーク・ザッカーバーグは資産40億ドル。“最年少大富豪”という金字塔を打ち立て、世界史に残る若きヒーローとなったのだ。

その年の秋にはFacebookの誕生秘話を描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」が全米で公開され、大人気となっただけでなく、この映画は「アカデミー賞」8部門にノミネートされ、脚色・作曲・編集の3部門で受賞、“ザッカーバーグ神話”の一つとなった。