2015年の「世界長者番付」の「トップ10」の顔ぶれは、前年とほぼ同じだった。特に「トップ3」は、「ITの王者」マイクロソフトのビル・ゲイツ、「メキシコの通信王」テルフォノスのカルロス・スリム、「投資の神様」の異名を取るウォーレン・バフェットが鎬を削っている。

資産10兆円に手が届く世界No.1の実力

個人資産792億ドル(9兆5000億円)!

ビル・ゲイツは、空前絶後の“ビリオネア・オブ・ビリオネアズ”(兆億長者のなかの兆億長者)である。「10億ドル以上の資産家」であるビリオネアは、2015年3月現在、世界に1826人(前年は1645人)おり、その頂点に君臨するのが「マイクロソフト」の創業者ビル・ゲイツなのである。

ビル・ゲイツが保有する資産は巨額すぎて実感がない。そこで、企業の売上高と比較してみると、日立製作所の連結売上高と同じくらいである。30万人を超える世界中の日立の従業員が、日夜、汗水流して稼いだ総額を、ビル・ゲイツは、たった一人で稼ぎ出すのだ。

佐久間奏=イラストレーション

彼は、前年11月に15億ドルもの金を自身の財団(ビル&メリンダ・ゲイツ財団)に寄付している。それでいて、前年より2兆円も資産を増やしているのだから言葉を失う。ありあまる金があることを「腐るほどある」とか「金が唸っている」などというが、この喩えはビル・ゲイツを端的に表現するためにあるのではないかとさえ思えてくる。

世界一の大富豪の生活は、どうなっているのか。

ビル・ゲイツは、IT系長者の例に漏れず、服装には金をかけないが、ストレス発散には金をかける。糸目をつけないというべきかもしれない。一例を紹介しよう。

ビル・ゲイツは、2014年8月、妻子4人とバカンスに出かけた。行き先はイタリアのリゾート地サルデーニャ島。そのそばの海に浮かべた豪華クルーザー「シリーン」に宿泊、島へはヘリで移動してテニスなどを楽しんだ。

シリーン号は全長約137m。船室は12あって建造費は約330億円(3億3000万ドル)。1週間のリース料は5億円。家族以外に52人のクルーが同伴しており、総費用は51億円だった。