飲食店での接客
▼三流は……
押し付けがましい「ご案内」
レストランに行くと、ウエーターが「お客さま、どうぞこちらのテーブルへ」と案内することがある。でも、これは「何も文句をいわずに、さっさとこのテーブルについてほしい」といっているのと同じ。店内を見渡せば、見晴らしのいい窓際のテーブルが空いている。選択権を与えられなかった顧客は心のなかで不満を抱く。心証を害するような押し付けがましいお願いは、やはりマナーに反する。
▼一流は……
一言加えて優しい「お願い」に
急いては事を仕損じるという。それはお願い事のときも一緒で、何かお願いしようとするのなら、ワンクッション置くのがベストだ。ホテルのクロークで鞄を預かるのにしても、「お預かりします」とぶっきらぼうにいうよりも、「差しつかえなければ、お預かりします」といったほうが、顧客も「ああ、お願いね」と素直に託したくなるもの。それに「お客さま」という呼びかけを冒頭につければパーフェクトだ。
(後藤範行=イラストレーション)