スピーチの冒頭で笑いがとれれば、聞き手の心はこっちのもの。東工大で「コミュニケーションと国際関係」を教えるパックンにその奥義を聞いた。
面白くなければ女性にモテない
どうも日本ではアメリカンジョークの印象が悪く、「笑えない」という固定観念があるようです。でも、じつは面白いんですよ。その証拠に何人もの落語家が小噺の1つとして取り入れています。僕は立川談志師匠にかわいがっていただきましたが、楽屋でアメリカンジョークを言い合って、いつもネタ交換をしていたものです。
アメリカ人、特に男性は、子供の頃から面白いことを話そうと意識しています。なぜなら、女性にモテたいから。あるアンケートによれば、女性が相手に一番求めるのは、ルックスよりも、お金よりも、「面白さやユーモア」という結果があるほどです。
アメリカンジョークの入門として「Knock-knock jokes」という駄洒落を使ったものがあります。興味のある方は是非調べてみてください。アメリカ人の子供も大体これから入ります。
大人になっても、会社員、社長、政治家など、一流ならだいたいユーモアのセンスが抜群。話が面白い人は言うことを聞いてもらえるだけではなく、「頭がいい」と見られ説得力も増します。
TECHNIQUE 1●必ずウケる! 身内のおとぼけエピソード
【パックン】それは息子がまだ3歳だった頃のこと……。
僕が息子に「大きくなったら何になりたいの?」と聞いたら、大きな笑顔で「消防車!!」と答えた。
車のほうか~と、これだけでも十分笑えるけど、この話には後日談がある。
息子6歳、娘4歳のときに同じように質問した。
「大きくなったら何になりたいの?」息子は「お医者さん!!」っと答えた。おっ、人間を目指すようになった! 成長したな~と僕が感心していたところで、隣にいた娘が大きな声で「じゃ、わたし患者さんになりたい!!」と入ってきた。人生の夢が病人!?
▼子供についての話は、オチがなくてもほのぼのするもの。加えて、こんなふうに、予想する答えと違った答えが飛び出すと、笑いのネタとしてもバッチリだね!