大統領だってそうです。たとえば、2012年の大統領選挙の際に、オバマ大統領とロムニー候補がニューヨークのチャリティイベントに登場して、ジョークを言い合いました。

ジョークは対象の特徴をデフォルメさせるのが基本。大金持ちのロムニーに対して大統領は「今日、五番街のお店を回っていて、『何を買おうかな?』と思っていたときに、ロムニーさんを見かけた。彼は『どのお店を買おうかな?』と迷っていた」とやって、爆笑をとりました。タキシード姿のロムニーも「すみません、今日は普段着で来ちゃいました」と自ら金持ちネタを披露。両者ともうまかったです。

と、ここまで「アメリカンジョークも捨てたものじゃないよ」と言っておいてなんですが、日米間のお笑い文化では、取り上げる題材も、笑ってもらうための話の組み立ても、笑いを生む言葉も、間も違います。だから実際に、「アメリカでは絶対に大爆笑がとれる」と思ったことを、日本で同じようにやってもスベる。そうした痛い思いを、僕は何度も繰り返し味わいました。

それで「日本でウケる話や言葉のやり取りは何か」を研究するようになったのです。みなさんにお勧めしたいのは、テレビのバラエティ番組。ちょっとした機転のきいたやり取りが必ずあるはずです。「面白い」と感じた場面があったら、それを真似して自分なりに使ってみましょう。失敗を恐れてはダメです。やればやっただけ、腕が上がりますからね!

TECHNIQUE 2●失敗談で笑いをとり「こんな僕でも」→「うまくいった」

大学で「ストーリーを組み立てよ」という課題を出したら、ある学生は悩んだ末に、新しいことをしてその経験をこんな物語にまとめてきた。

【学生】省エネや節約、利便性の面から電球をLEDに替える家庭が増えています。これなら僕にでも売れるに違いないと思い実践してみることにしました。

「高齢者なら天井が高くて自分で交換するのも大変だから、量販店で買ったLED電球を設置費込みで数百円高く売っても喜んで買ってくれるのではないか!」とひらめいたのです。

そこで高齢者が多く住むエリアへ行き一軒一軒家を回りました。ところが1つも売れません。考えが甘すぎたのです。

結局、今わが家はLED電球だらけですけど、気分は真っ暗です。
 

飾らず実体験を伝えているのがポイント。こうした失敗談を皮切りに「こんなドジな僕でも、社会人になって5年目には会社の売り上げ倍増に貢献しました」と、ツカんだうえで実績をアピールするといい。